Switch
私たちは意識的に脳をON/OFFすることはできません。例えば睡眠時には意識を失っていますが、それはスイッチを入れるようにできることではありません。新しく報告された研究結果によると、科学者達はスイッチを入れたように脳を眠りにつかせる方法を偶然発見したとのことです。

それはジョージ・ワシントン大学の神経科学者たちが、癲癇の女性患者の脳の電気信号をモニターし、どの部分が癲癇を引き起こしているのか調べている時でした。脳のある部分に電極を置くと、一時的に患者は意識を失ってしまったのです。

電極が置かれたのは前障と呼ばれる部分の付近でした。前障は脳の主要組織の間にある神経でできた薄いシートです。前障の正確な機能は分かっていませんが、大脳・小脳の半球同士を繋ぐ役割をしていると考えられています。その付近を刺激した時、患者は意識を失ってぼんやりと宙を見始めたということです。

患者は映像や音に反応しなくなっただけではなく、呼吸も遅くなりました。刺激を止めると意識を取り戻し、その間のことは何も覚えていませんでした。その部分が発声や運動の機能では無く意識に関係しているということを確証するため、実験は二日以上続けられました。

興味深い発見ですが、少し考慮しておくべきことがあります。この女性患者は治療のために海馬の一部を除去されており、“通常の”脳では無いということです。しかしながら、研究が進めば電気信号一つで眠りにつける時代が来るかもしれません。

Source: io9, Crazy Engineers